思い出を包むお花屋さん

お墓参りの際に出逢ったお花屋さんの話をしましょう。その日は、仕事が立て込んでいたので、職場に出勤する前にお墓参りを済ませるつもりで、午前中に出掛けました。残念ながら、親戚一同とは、スケジュールが合わなかった為、一人きりで、お墓周りの掃除をしていると、隣のお墓に一人の女性が現れました。私と同様に、お墓周りの掃除を始めた彼女は、掃除が終了すると、駐車場の方へ向かっていくのが見えました。そのまま帰宅するのかと思いきや、戻って来るなり、大量の「カスミソウ」をお墓周りに飾り始めたのです。あまりの綺麗さに、声を掛けてみたところ、彼女自身は、隣のお墓の親族に依頼を受けたお花屋さんということを教えてくれました。今日の午後に、そのお墓の親族一同がお墓参りに来られるというので、その前までに、お墓をお花でアレンジするように依頼を受けたと話してくれました。そこで、お墓の主が生前好んでいた「カスミソウ」をメインに、お墓の周りを囲うようにアレンジしたそうなのです。そのお墓の風景は、見ているだけで、全く関係者ではない私の心さえも癒してくれるアレンジでした。フラワーアーティストである彼女にとっては、彼女自身の作品とも言え、その演出は、この世を旅立ってしまった故人との思い出を、暖かなもので包んでくれるような感覚になることができるようでした。そんな思いにひたりながら、私は彼女に、明日お墓参りに来るであろうの親戚たちの為に、我一族のお墓へののフラワーアレンジメントを、思わずその場で依頼してしまいました。思い切った行動となりましたが、フラワーアーティストである彼女との出逢いから、我が家のお墓参りは、毎回、とても素敵な花々の演出によって優しさに包まれているのです。思い出を語りあいながら素敵な時間を演出するアレンジメントに、いつもうっとりと感謝するのです。

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