華道と茶花

皆さんは茶花という言葉をご存知でしょうか。華道と並んで日本の伝統文化とされる茶道において、茶席を花で飾るのは一般的です。その花のことを指して茶花と呼ぶのです。そもそも茶道では、菓子や道具、茶器といった、お茶に直接関係しないもので四季を味わう文化があります。茶花もその一つで、茶席を盛り上げるための重要なアイテムと見做されているのです。

では茶花と華道とはどのような関係にあるのでしょうか。実は両者は微妙な関係にあります。元々は生け花から枝分かれした文化として茶花は生まれたわけですが、現在ではその本質を華道とは異にするものとして受け止められています。というのも、千利休によれば、茶花は自然に咲いている花をモチーフにしています。従って、生け花のような人工美とは無縁の文化だと考えられるのです。茶花に技巧を凝らすのは禁物で、飾り立てるようなことはありません。特にカラフルに仕上げるのは茶花の良さを壊してしまうことになります。

茶花のこうした性質から、花材は野原で摘んだ花をそのまま用います。もちろん花壇から摘み取っても構いませんが、自然に近いものを選ぶようにします。例えばヨーロッパ原産の花は自然とかけ離れていますから、使用することはありません。また、生け花のように固い蕾を切り落とすようなこともありません。見栄えの良くない花であっても、そのまま使用するのが茶花なのです。茶花における禁花としては他に、香りの強い花、とげのある花等が挙げられます。これらのルールを守ると、結果的に一輪挿しになることも多く、それでも茶花としては成立しています。お茶の席で花が目立つ必要も無いのです。

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